フードロスと生活困窮者支援に両輪で挑むフードバンクふじのくにの取り組みを知る!|フードバンクふじのくに

「もったいない」から「ありがとう」へ

フードロス問題と生活困窮者支援に取り組むNPO法人フードバンクふじのくにの取り組みから自分たちができることは何かを考えていきます。

フードバンクとは、まだ安全に食べられるのにやむなく処分される食品の寄贈を受け、必要としている人に届ける活動です。「食品ロス」と「生活困窮」の2つの社会課題を結び付け、解決を目指します。1967年アメリカで始まったのがきっかけで、現在日本では233団体が活動をしています。

食品ロスとは、本来は食べられる状態であるのにも関わらず、食品が破棄されることです。日本で発生している食品ロスの量は年間472万トン(令和4年度)もあり、年間一人当たりの食品ロスの量は38kgにもなります。日本で活動している233団体もいますが、1年間で133万トンしか減らすことができず、0.1%しかフードバンクでは救えないのです。

よく食品ロスになるものは恵方巻きや鏡餅、バレンタインチョコ、ケーキが多く、小売店はお客さまが来ないと商売にならないため、あえて多めに発注をかけ販売することがあり、それが食品ロスにつながってしまう場合もあります。最近では少しでも食品ロスを減らすために、予約販売という方法も多くなってきています。

なぜその状態になってしまったのか

多くの食品ロスが出ている一方で、生活に困窮し、明日の食事を取るのも困っている方も増加しているのが日本の現状です。「生活保護費保護世帯の増加」「非正規雇用率の悪化」「子どもの7人に1人が貧困状態」「新型コロナウイルスで影響を受けた人」「物価高」とさまざまな『生活困窮』に繋がる問題が挙げられ、すでに遠い国の話ではありません。

フードバンクふじのくにでは、企業や団体、個人からいただいた食品はフードバンク倉庫にて検品され、一時保管されます。原則として、食料希望者から直接食料の支援の依頼を受けるではなく、”相談窓口を介して”依頼を受け付け、対応しています。

「直接ではなく、なぜ窓口を経由するか。」ここが大事なポイントです。

直接食料を渡しただけだと、その日から数日はお腹は満たされます。しかし、生活困窮状態の人は「就労」「依存症」「低学歴」「鬱」「人間関係の断絶」「住居や食事」といったさまざまな問題を複合的に抱えてることが多いです。「なぜ食べ物に困っているのか」「なぜその状態になったのか」その問題を解決しない限り、その人の根本的な問題解決には繋がらないのです。

だから、相談窓口を介して依頼を受け付けるのです。窓口にて相談のプロである生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業(相談窓口)や各種支援団体と連携して支援を行っていきます。

私たちにできること

普段、街中を歩いていても、外見をひと目見ただけではその人が困っているかは分かりません。そのため、誰がきてもいいように、さまざまな窓口が存在します。また、支援格差を作らないことを目標として静岡県下35市町すべての相談窓口と連携し「こども食堂・食料配布団体」への支援も拡がっています。

「みんなに今すぐできることは何かあるかな?」

冷蔵庫の在庫チェック、賞味期限の確認、食べ残しをするぐらい食べすぎない、自分たちで食べきれないものはフードバンクに寄付といった日常から意識を変えていくことは今すぐにでも取り組めそうですね!

まずは、フードバンクふじのくにの活動や仕組みを知ってもらい、普段の暮らしからひとりひとりが当事者意識を持ち、自分にできることをやり、身近なところから変えていくことが大切だと思います。

2025年実施